これは私が子育てどころか結婚の予定も全くなかった頃のお話です。
当時の職場に偶然母の同級生がいました。
つまり私がその職場で働き始めた頃にはもうお孫さんもいるくらいの年齢だった方なんですが
誰にでも愛想よく接して、マメに動きよく働く方でした。
スーパーマン(らしい)な旦那さんをとても愛していて、また旦那さんからも大事にされているというステキな夫婦関係を築かれていて、
自慢のお子さんたちがいらっしゃって、と、こうやって書いてみるとすごくいろんなものを手に入れた方だなと思いますが
よく「自分は頭も悪いし不細工だ、かわいくないと母親に言われて育った」と言う人でした。
そりゃあ別に美人だとも思わないけれど、基本的にいつも笑顔で接してくださるので愛嬌のあるかわいらしい人という印象で、
「そんな、思い込みすぎですよ」等いつも返事をしていたのですが、どうもご本人はこれをお世辞と受け取っている様子でした。
美人じゃなくても笑顔で接してくれるのが嬉しいですよ的なことも言ったのですが
「母親に、不細工だからせめて笑顔でいろと言われていた」みたいなことも言われ…
じゃあ旦那さんに不細工だなんて言われたことあります?と尋ねてみると
旦那さんにスッピン見せたことないからと、こうきましたよ。
絶対に旦那さんより遅く寝て、絶対に旦那さんより早く起きて身支度を整えておくんだそうです。
いやぁそうは言っても旦那さんが夜中に目覚めることもあるだろうし、見られているんじゃ?と思うのですが
彼女にとってそこは最重要とさえ言えるほどに対策をとっているようで、「絶対に見られたことはない。大丈夫。」と言っていました。
そして私は「誰がなんと言おうとこの人は自分を不細工だと思い込んで生きていくんだな…というか生きてきたんだな。子育てって…もはや洗脳なんやな」としみじみ思い
我が子に不細工だと言い続けたというお母さんもすごいな、でも笑顔でいるようにっていうのはいい事か。結果として幸せな生活を手に入れてるし、これで良かったのか…?いや良くはないんじゃ?っていうかお母さんの言葉をこんなに素直に受け止めて卑屈にもならずに言われた通り笑顔で過ごそうってすごくない?グレてもおかしくないんじゃ?
などなど思うことは色々あったのですが、「自分は賢くもないし不細工」と信じ込んでいる様子はやっぱり洗脳みたいで、
私が子どもを育てる時はできるだけ色んな大人と接する機会を持たせて、母親の考えが子どもの全てにならないように気をつけようと思ったことを覚えています。
あれから10年くらい経って私も子ども2人に恵まれましたが、子育てはまだまだ続きます。
子どもたちがこれからどんな風に成長するのか分からないし、願うことはたくさんあるけれど、
幸せな人生を送ってもらえるように私は私にできることを子どもたちにしていきたいと思います。
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